風力発電建設計画への意見書

 令和4年6月10日

関西電力株式会社 御中

 

川崎ウィンドファーム事業に関わる意見書

 

グリーンスパの住環境を守る会

※巻末に当会の説明と代表者、住所を記載

 

 私たちの地域は、計画している風力発電に最も近い川崎町青根地区に開発された「グリーンスパ」という別荘地にあります。

この地域は、開発当初は別荘利用が中心でしたが、今日では居住者が増え「団地化」が進んでいます。現在、居住者70世帯、別荘利用者40世帯です。同じ青根地区の別荘地「サバトの森」も同様で、居住者60世帯、別荘利用者50世帯です。合わせて約220世帯の命と暮らしが営まれている地域です。

 共に緑が深く多くの自然に恵まれた地域であり、草木の揺らぎや鳥や虫の鳴き声以外は物音が少ない静かな場所です。「自然と調和した暮らし」が住民の共通の願いです。自然環境を求めて移住する子育て世帯も10世帯になろうとしています。

5月30日に風力発電計画についての配慮書が公開されました。別荘利用者含め数多くの住民から不安や疑問、反対の意見が出ています。これらの声をまとめた「意見書」です。

 ※次ページからの図や表がぼやけています。提供元の関西電力の資料からはこれが精一杯です。理不尽ですが。

1.配慮書に記載された情報に対する意見(①~④)

①騒音・低周波音等について

・配慮書の第4.3.1-1図によると当地域は発電機設置想定範囲から1.0km~2.5kmに位置することが確認できます。次ページ図A。

・当地域は日頃から静かな環境であり、風力発電機の騒音・低周波音等の影響は他の地域と比較して最も強いと想定されます

・風車の音が24時間鳴り響くことや大規模工事に伴う騒音の影響について反対意見や不安意見が多数出ております。

・この懸念に対して、住民の合意が得られる説明が無い限りは本計画を受け入れかねます。

 

図A(配慮書より抜粋)    ★グリーンスパ

 

②動物の生息環境の変化に対する懸念

・事業実施想定区域内には鳥獣保護区、IBA(重要野鳥生息地)、KBA(生物多様性保全の鍵になる重要な地域)、蔵王国定公園、植生自然度9区域、といった自然豊かな地域が含まれております。次ページ図B。

・配慮書の「動物の重要な種への影響の予測結果」には鳥類86種に対してバードストライクの影響がある旨が記載されています。次々ページ図C。これらの種は宮城県のレッドリスト(絶滅危惧種)の鳥類種全体の65.2%に、山形では70.8%に該当します。次ページ表A。

・また「重要な種」以外においても生息妨害による移動等に伴い猿や猪、熊等による住環境への被害を懸念しています

・これらの懸念に対し、住民の合意が得られる説明が無い限りは本計画を受け入れかねます。

 

図B(配慮書より抜粋)

表A「第4.3.4-14 表(1)のうち影響が生じる可能性が高い種」と「各県のレッドリスト」との対比表

図C(配慮書より抜粋)

 

③植生に対する懸念          

・事業実施想定区域には特定植物群落、宮城県レッドリスト2021対象植物群落、植生自然度9の自然域が広く分布しています。次ページ図D。

・長年にわたって自然な状態を維持してきた山に大規模な工事が入ることで、ブナ・ミズナラ・カラマツをはじめとする貴重な植物群落に対して影響を及ぼす可能性がある旨が配慮書に記載されています。

・自然豊かな環境を享受してきた当地域住民にとって美しい植生が変わることは耐え難いという意見が多数集まっています。

・これらの懸念に対し、住民の合意が得られる説明が無い限りは本計画を受け入れかねます。

 

図D(配慮書より抜粋)

 

④景観の悪化                     

・配慮書の第4.3.7-4表(2)によると当地域から最も近い「AONE×MATOKA」では垂直見込角4.7度であり「景観的に大きな影響がある」と記載されています。表B。

・位置関係を考慮すると当地域と発電機の距離は更に近く見上げる形になります。

・つまり当地域からの垂直見込角度および景観影響度は「AONE×MATOKA」以上に高まるため、強い圧迫感が想定されます。

・人工物が少ない緑豊かな環境を求める当地域の住民にとって看過できないものです。

・これらの懸念に対し、住民の合意が得られる説明が無い限りは本計画を受け入れかねます。

 

表B(配慮書より抜粋)

 

2.その他の意見

①配慮書では住民不安を払拭できる水準の説明ではありません。想定されるリスクや影響等の詳しい説明が欲しい。→多くの評価項目において「重要な影響」があるものの「実行可能な範囲で回避または軽減」とだけの評価が繰り返され、具体的な内容がありません。

②なぜ関西電力なのか。地域環境への理解、地域との共存等の観点から疑問が生じるので説明してほしい。

③再生可能エネルギーでも大規模な自然破壊は長期的に問題ないのか合理的な説明がほしい。

④森林伐採に伴う土砂崩れ等の被害への影響可能性に対する説明がほしい。

⑤「重要な種」以外の生態系の変化に伴う住環境に関わる影響可能性に関わる説明がほしい。

⑥配慮書はネットでは読みにくい!印刷もできない!役場で縦覧できるがコピーすらできない!こんな方法で住民に理解してもらえると本当に思っているのか真意を聞きたい。

 

以上

 

※本意見書提出のグリーンスパの住環境を守る会について

 当会は、令和元年台風19号被害を契機に地域の住環境を守り維持する目的で令和2年7月に設立しました。川崎町をはじめ関係行政や青根区会等の地域諸団体とも協力し、災害対策や当地域内にある共用施設や水道・道路の管理改善など、互助の精神で住環境課題に取り組んでいる団体です。現在、グリーンスパ内過半数を超える63世帯が加入しています。

 よろしくお願いします。

 

グリーンスパの住環境を守る会

代表者 会長 柿崎照雄

〒989-1501宮城県柴田郡川崎町前川字六方山3-281

 

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